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EUのAI生成コンテンツ表示義務が8月2日に適用開始 ― 「63億円」を自社に当てはめる前に確かめる4つの問い

投稿日:2026.08.01

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EUのAI生成コンテンツ表示義務が8月2日に適用開始 ― 「63億円」を自社に当てはめる前に確かめる4つの問い

2026年8月2日、EU AI法の第50条(透明性義務)が適用開始になります。この規制を伝える記事では「制裁金63億円」という数字が繰り返し引用されており、その数字だけを見て自社のブログ運用やAIチャットボット導入を点検し始める、という実務上の場面が起こり得ます。

結論から言うと、その63億円という水準はAI生成物の表示義務違反には適用されません。第50条(透明性義務)違反の上限は1,500万ユーロまたは全世界年間売上高3%(いずれか高い方)で、63億円(3,500万ユーロ/7%)は「禁止行為」(第5条)という別区分の水準です。そしてこの記事を通して確認したいのは、表示義務がかかるかどうかを分けるのが「AIを使ったか」でなく「公開前に人の目が入ったか」だという点です。

制裁金「63億円」が指しているのは別区分

AI法(第99条)の制裁金には、少なくとも3つの水準があります。禁止行為(第5条)違反が最大3,500万ユーロまたは全世界年間売上高7%、透明性義務(第50条)違反が最大1,500万ユーロまたは3%、当局への不正確・不完全・誤解を招く情報提供が最大750万ユーロまたは1%です(いずれも高い方が適用されます)。中小企業・スタートアップの場合は、該当する区分の金額と比率のうち低い方が上限になります。

日本語報道で目にする「63億円」は、このうち禁止行為の水準を指しています。禁止行為とは政府によるソーシャルスコアリングやサブリミナル操作など、AI法がそもそも市場から締め出す用途で、AI生成コンテンツにラベルを付け忘れることとは性質が異なります。表示義務違反の上限はその半分以下(1,500万ユーロ/3%)であり、区分を混同したまま自社のリスクを見積もると、実際より重い規制を想定してしまいます。

プロバイダーとデプロイヤー、義務の中身

第50条の義務は、AIシステムの「提供者(プロバイダー)」と「利用側の事業者(デプロイヤー)」で内容が分かれます。プロバイダーには、人と直接やり取りするAIをAIだと分かるようにする義務(それが明らかな場合を除く)と、音声・画像・動画・テキストなどの合成コンテンツを機械可読な形でマーキングし、人工的に生成・改変されたものと検出可能にする義務があります。

デプロイヤー側の義務は3つです。感情認識・生体分類システムに触れる人への通知、ディープフェイクを最初に触れる時点で明確にラベル表示すること、そして公益に関する事項について公開するAI生成・改変テキストに、人によるレビューがない場合のラベル表示です。

EU AI法 第50条の義務を提供者(プロバイダー)と利用側事業者(デプロイヤー)に分けて示した図。免除が付くのはマーキング・ラベル表示の義務だけ

自社サービスがAIを開発・提供する側なのか、業務でAIを使う側なのか——ここを取り違えると、確認すべき義務そのものを間違えます。自社開発のAIを自社サービスでも使っている場合は、両方の義務を確認する必要があります。

免除規定の中心は「人が確かめたか」

第50条には複数の免除規定があります。標準的な編集の補助機能にとどまる場合や、実質的な人によるレビュー・編集上の管理を経たテキストは、ラベル表示の対象になりません。明らかに芸術的・創作的・風刺的・虚構的な作品は、鑑賞を妨げない形での開示で足り、B2B用途にも限定的な免除があります。

ここで一点、見落としやすい線引きがあります。これらの免除が向けられているのは、合成コンテンツのマーキングとラベル表示の義務です。人と直接やり取りするAIをAIだと分かるようにする義務と、感情認識・生体分類システムに触れる人への通知義務は、この免除の対象として挙げられていません。人のレビューを通しているからチャットボットの開示も不要、とはならない点に注意が必要です。

私たちのブログ運用は、下書き生成のあとに3段階のレビューを経て、公開の判断そのものは人間が管理画面で行うという流れをすでに取っています。表示義務への対応として組み立てた仕組みではありませんが、実際に運用してみて分かったのは、免除の考え方が私たちの手順とすでに重なっていたという事実です。もっとも、どこまでのレビューが「実質的」と評価されるかは条文からは読み取りきれず、今後の運用を見ていく必要があります。

自社に義務がかかるかを確かめる4つの問い

自社にこの義務がかかるかどうかは、次の4つの問いを順番に確認すると判断しやすくなります。

自社に表示義務がかかるかを確かめる4ステップ(出力の場所・立場・免除・対応)を背骨状に並べたセルフチェック図

1つ目は、出力の使用地です。AI法第2条(1)(c)は、事業者の拠点でなく「AIシステムの出力がEU域内で使われるか」で適用範囲を定めています。日本企業であっても、生成した文章や画像がEU域内の利用者に向けて使われるなら、この先の確認が必要です。

次に確認するのが自社の立場です。AIシステムを開発・提供しているならプロバイダーの義務、業務で利用しているならデプロイヤーの義務を見ます。自社開発のAIを自社サービスで使っている場合は、両方が対象です。

3つ目の問いが免除の該当有無で、判断基準は前段で見た「実質的な人によるレビュー・編集上の管理を経ているか」です。この基準を満たせば、そのコンテンツのラベル表示は不要になります。ただし前段の線引きのとおり、AIとの対話であることの開示や感情認識の通知は、この問いとは別に残ります。

最後は、免除に当たらない場合の対応です。プロバイダー側であれば合成コンテンツの機械可読マーキング、デプロイヤー側であればディープフェイクや公益テキストへのラベル表示が、第50条が求める具体的な対応になります。

ここで示したのは判断材料であり、自社が実際に義務の対象になるかどうかの最終確認は、専門家に相談することをおすすめします。

適用開始日と経過措置

第50条は2026年8月2日から適用されます。ただし、この日より前に生成されたコンテンツに遡ってラベルを付ける義務はありません(欧州委員会は、可能であれば対応することを推奨しています)。また、2026年8月2日より前に市場に出ているAIシステムについては、マーキング・検出の要件に2026年12月2日までの猶予があります。

欧州委員会は2026年7月、この義務の範囲を明確にするガイドラインを公表しています。あわせて「AI生成コンテンツの透明性に関する行動規範(Code of Practice)」が用意されており、署名は任意です。署名した提供者はマーキング・ラベリング義務の遵守を示しやすくなりますが、署名しない場合も「同等に十分な代替手段」で遵守を示す必要があるとされています。

まとめ

ここまでを整理すると、「63億円」という数字は禁止行為(第5条)の水準であり、表示義務(第50条)違反の上限はその半分以下の1,500万ユーロ/3%です。義務の有無を分けるのは生成手段でなく人の関与で、自社への当てはめは出力の使用地・立場・免除・対応の4つの問いで確認できます。

そのうえで一つ言えるのは、この適用開始で問われているのが法務の書類仕事ではなく、公開前に人が確かめる工程を持っているかどうかだ、ということです。工程がなければラベルを貼る作業が積み上がり、工程があれば貼る対象そのものが減ります。表示義務への対応は、法務部門の宿題に見えて、実際には編集と品質管理の設計に寄った仕事です。

出典:

※ この記事は AI を使用しています。Leadeas が自社開発した AI エージェント基盤で下書きを作成し、人間のレビューを経て公開しています。AI ネイティブ開発会社として自社の技術をそのまま実演する目的で、この手法を用いています。(詳しくは AI 利用ポリシー)

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