TITLE

組織の知識をAIエージェントに開く型——Google Cloud「Open Knowledge Format(OKF)」が示したMarkdown設計

投稿日:2026.07.24

CATEGORY

  • AI開発
組織の知識をAIエージェントに開く型——Google Cloud「Open Knowledge Format(OKF)」が示したMarkdown設計

Google Cloud が2026年6月12日(米国時間)に公開した「Open Knowledge Format(OKF)」は、組織内に散らばった知識をAIエージェントが直接読める形にするためのオープン仕様です。骨子はシンプルで、データセット定義・メトリクス定義・ランブックといった知識を、YAMLフロントマター付きのMarkdownファイルとして書き、ディレクトリに並べる。これだけです。バージョンは0.1で、リファレンス実装がGitHubで公開されています。

OKFとは何か──1ファイル=1コンセプト、パス=ID、リンク=グラフ

OKFを発表したのは、Google CloudのData Cloud部門でエンジニアリングを率いるSam McVeety氏(Data Analytics担当Tech Lead)とAmir Hormati氏(BigQuery担当Tech Lead)です。仕様の中核にあるのは「1ファイル=1コンセプト」という原則です。メトリクス定義、データベースのテーブル、運用ランブックといった知識の単位ごとに1つのMarkdownファイルを作り、ファイルのパスがそのままコンセプトのID(識別子)になります。コンセプト同士は通常のMarkdownリンクでつながり、ディレクトリ全体が関連知識のグラフを構成する仕組みです。

公式ブログが示す例では、sales/ というディレクトリの下に datasets/tables/metrics/ のサブディレクトリが並び、それぞれに index.md と個別のコンセプトファイル(orders_db.mdorders.mdweekly_active_users.md など)が置かれます。各ファイルの冒頭にはYAMLフロントマター(ファイル本文の前に置く、そのファイルの素性を示すメタデータの記述)があり、typetitledescriptionresource(参照先URL)・tagstimestamp といった項目を付与できます。このうち記述が必須なのは type の1項目だけで、残りはすべて任意です。

必須フィールドは type だけ──重いツールを増やさない設計

OKFの設計で目を引くのは、この必須フィールドの少なさに表れている軽さです。新しいプラットフォームやツールを組織に導入する必要はなく、tarball・gitリポジトリ・ファイルシステムのマウントのいずれでもホストできます。目的は、組織内の知識が社内Wiki・スプレッドシート・チケット管理ツールなど複数のシステムに分散している問題を解消し、ベンダー中立で相互運用可能な形で、AIエージェントに正確なメタデータとコンテキストを渡すことです。リファレンス実装として3つのサンプル知識バンドルと2つの参照実装が、GitHubの GoogleCloudPlatform/knowledge-catalog リポジトリ(Apache 2.0ライセンス)で公開されています。

OKFの構造を示す図。散らばったDB定義書・メトリクス定義・ランブックが、index.mdを中心にdatasets/・tables/・metrics/へリンクで結ばれたグラフへ変換される。

私たちが実践してきた運用と同じ発想だった

この設計思想には見覚えがありました。私たちは社内で「LLM-Wiki規律」という運用を敷いています。長い原資料(記事・スレッド・ログ)を一度だけ読み、結論と出典をコンパクトな相互リンクMarkdown(YAMLフロントマター相当のメタ情報+本文)に蒸留し、以後はその蒸留物だけを参照して原資料を読み直さない、というものです。OKFという仕様の存在は知らないまま、Andrej Karpathy氏が提唱した「LLM wiki」という考え方を踏まえて、私たちの運用に落とし込んでいました。

OKFが土台にしているのは、同じ設計原理です。知識を「Markdown+メタデータの相互リンクグラフ」として持たせ、AIエージェントが必要な時に必要な単位だけを読みに行けるようにする。OKFという仕様の存在を意識せず運用してきた私たちのパターンと、Google Cloudが公式仕様として言語化した構造が、結果的に一致していたということです。

まとめ:組織知識をAIエージェントに渡す設計の出発点

OKFはまだバージョン0.1であり、エコシステムの対応状況や実際の採用事例はこれから積み上がっていく段階です。それでも、この仕様が示す原則そのもの──知識を1ファイル=1コンセプトに分解し、パスをIDにし、リンクでグラフ化する──は、OKFという特定の仕様を採用するかどうかに関わらず、組織がAIエージェントに知識を渡す設計を考える時の具体的な出発点になります。散らばったドキュメント・定義・手順をAIエージェントにそのまま読ませようとして苦労している企業ほど、まずは社内の定義書やランブックを1つ選び、1ファイル=1コンセプトの形に分解してみる。私たちがLLM-Wiki規律で実際にやってきたのも、結局はこの分解の繰り返しでした。仕様の詳細は GitHub の GoogleCloudPlatform/knowledge-catalog リポジトリで確認できます。


出典

※ この記事は AI を使用しています。Leadeas が自社開発した AI エージェント基盤で下書きを作成し、人間のレビューを経て公開しています。AI ネイティブ開発会社として自社の技術をそのまま実演する目的で、この手法を用いています。(詳しくは AI 利用ポリシー)

AI

AI導入やシステム開発の ご相談を承っています。

お気軽にお問い合わせください