ホームページ制作費用 ― 相場の構造と見積もりの見方
投稿日:2026.06.10
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- Web開発
「相場」が意味をなさない理由と、それでも参考になる数字
ホームページの制作費用を調べると、「10万円〜1,000万円」のような幅広いレンジが出てきます。これは煽り文句ではなく、実態がそれだけ幅広いということです。5ページの会社概要サイトと、採用・ECを含む大規模ブランドサイトでは、使う技術も工数も根本的に違います。
一方で、参考になる実データは存在します。Web幹事が実発注案件846件を集計した調査(調査期間: 2022年1月〜2023年12月、2024年公開)によると、平均は82.5万円、中央値は43.4万円です(出典: web-kanji.com)。
「平均」と「中央値」の差に注目してください。高額案件が平均を引き上げているため、「普通のホームページ」の感覚に近いのは中央値の43万円です。費用感を掴む際は、この数字を出発点にする方が実態に近いと言えます。
ただし、この調査は2022〜2023年の実発注ベースです。2024年以降の物価・人件費の変動は織り込まれていないため、参考値として扱ってください。
費用を決める主な要素
ホームページの制作費用を構成する主要な要素は次の4つです。
ページ数とコンテンツ量
制作工数の基本単位はページ数です。5〜10ページの会社概要サイトと、20〜30ページのサービスサイトでは、原稿作成・デザイン・コーディングのすべての工数が変わります。
デザインのオリジナル度
既成のテンプレートを使うか、デザイナーがゼロから作るかで費用は大きく変わります。テンプレートベースは安く速く仕上がりますが、他社と似たデザインになるリスクがあります。ブランドの独自性を重視するなら、オリジナルデザインに費用をかける判断になります。
CMS(コンテンツ管理システム)の有無
WordPressなどのCMSを導入すると、制作後に自社でページの更新・追加ができます。CMSの設定・カスタマイズには工数がかかるため、初期費用は上がりますが、運用後の更新費用を抑えられます。更新頻度が高いサイトでは、CMSなしの「制作会社に都度依頼」より長期的にコストが低くなる場合があります。
組み込む機能
問い合わせフォームのみであれば工数は小さいですが、ECカート・会員登録・予約システム・外部APIとの連携などが加わるたびに開発工数が増えます。「とりあえずかっこよく」ではなく「何の機能が業務に必要か」を先に決めてから見積もりを取ることで、無駄な機能への支出を避けられます。
規模別の費用目安
制作会社比較サイトの情報をもとにした目安です(ベンダー公開値・目安として参照)。
| 規模 | ページ数の目安 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 小規模(会社概要サイト等) | 5〜10ページ | 〜50万円程度 |
| 中規模(CMSあり・サービスサイト等) | 20ページ前後 | 50〜300万円程度 |
| 大規模(採用・EC・ブランドサイト等) | 制限なし | 300万円〜 |
出典: web-kanji.com/posts/market-price
「目安」として示していますが、実際は同じページ数でもデザインや機能によって大きく変わります。この表は「規模感を確認する」用途に留めてください。
依頼先で変わる費用感
誰に頼むかによっても費用感が異なります。ベンダー公開値の目安として示します。
- フリーランス: 10〜20万円程度。小規模サイトでコストを抑えたい場合の選択肢
- 中小制作会社: 数十万〜300万円程度。対応範囲が広い
- 大手制作会社: 300〜1,000万円程度。大規模・高品質案件向け
- 代理店経由: 制作会社へ再委託されることが多く、仲介費として20〜50%程度上乗せされる傾向がある
初期費用と「その後のコスト」を分けて考える
制作費用は一度払えば終わりではありません。公開後に発生するランニングコストの目安は以下のとおりです。
- サーバー・ドメイン費のみ: 月5,000円以下程度
- 更新・軽微な修正対応を含む: 月5,000〜2万円程度
- CMSメンテ・アクセスレポート含む: 月2〜5万円程度
- SEOコンサルティング・マーケ支援含む: 月5万円〜
サイトを作って「あとは放置」ということが難しいのは、セキュリティアップデートの適用やコンテンツの鮮度維持が継続的に必要だからです。制作費用だけで予算を使い切ると、運用費用が後から想定外に発生することになります。制作の見積もりを依頼する際は、「3年間の総費用」で比較することをお勧めします。
WordPressなどの自作・半自作
WordPressを使えば、テーマ・プラグインとサーバー・ドメイン費用だけで、初期10〜30万円以下でサイトを作れる場合もあります(出典: ntcreation-web.com)。ただしこの費用感は「テンプレートを使い、カスタマイズを最小限にした場合」の目安です。
自作のデメリットは、保守の手間が自社に来ることです。WordPressのコアやプラグインのアップデート対応、セキュリティ対応を担当できる人材が社内にいる前提が必要です。
見積もりを比較するときの注意点
複数の会社から見積もりを取る場合、金額だけで比べると判断を誤ります。見積もりに含まれている工程が会社によって異なるからです。
確認すべき点の例:
- 原稿作成は含まれているか(クライアント側が用意するのか制作会社が作るのか)
- 写真・画像素材の準備は誰が担うか
- 公開後の修正対応は何件まで含まれるか
- テスト・検証の工数は含まれているか
- SSL(https対応)の設定は含まれているか
これらを揃えた状態で比較しないと、「安い見積もりだと思ったら、自社でやる作業が多かった」という事態になります。
ここまでをまとめると
ホームページ制作費用を正確に予測するのは難しいですが、判断の基準として押さえておくべき点は3つです。
- 中央値43万円を出発点に、自社の要件でレンジを確認する: 「平均」より「中央値」が体感に近い
- 初期費用とランニングコストを合計で考える: 制作費が安くても運用費が高いパターンに注意
- 見積もりは「含まれている工程」を揃えて比較する: 金額の差より工程の差を先に確認する
出典
- Web幹事「ホームページ制作費用の市場調査」(調査2022/1〜2023/12、2024年公開): https://web-kanji.com/posts/press-release-hp-market-price-japan
- Web幹事「ホームページ制作費用の相場」: https://web-kanji.com/posts/market-price
- ntcreation-web.com「WordPress制作費用の目安」: https://ntcreation-web.com/column/2355/

